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サルコペニア予防は食事と運動で!筋肉を守る簡単習慣と実践法

最近、以前に比べて体が思うように動かないと感じることはありませんか。 年齢を重ねると誰にでも起こりうることですが、もしかするとそれは筋肉量が減少する「サルコペニア」のサインかもしれません。まずはご自身の状態をチェックしてみましょう。

  • ペットボトルのキャップが開けにくくなった
  • 横断歩道を青信号の間に渡り切れるか不安がある
  • 階段の上り下りで手すりがないと怖さを感じる
  • 家の中でカーペットの段差などにつまずくことが増えた
  • 以前より歩く速度が遅くなり、同年代の人についていけない

もしこれらに思い当たる節があるなら、早めの対策が必要です。サルコペニアは放置すると転倒や骨折のリスクが高まり、将来的な寝たきりにつながる可能性があります。しかし、正しい食事と運動を組み合わせることで、何歳からでも筋肉は維持・強化することができます

この記事では、今日から始められる具体的な予防策を詳しく解説していきます。

目次

サルコペニアとは何か?なぜ予防が必要なのか

サルコペニアとは、ギリシャ語で「筋肉」を意味するサルコと、「喪失」を意味するペニアを組み合わせた言葉で、加齢に伴い筋肉量や筋力が低下する状態を指します。単に力が弱くなるだけでなく、身体機能が低下し、活動量が減ることでさらに食欲が落ち、筋肉が減るという悪循環に陥りやすいのが特徴です。

筋肉は体を動かすエンジンであると同時に、血糖値を調整したり、体温を維持したりする重要な役割も担っています。そのため、筋肉が減ることは糖尿病や心血管疾患のリスク上昇にもつながります。健康寿命を延ばし、自立した生活を長く続けるためには、サルコペニアの予防が非常に重要なカギを握っています

筋肉の材料を届ける「食事」のポイント

筋肉を維持・増強するためには、運動と同じくらい、あるいはそれ以上に食事が重要です。いくら運動をしても、筋肉の材料となる栄養素が不足していれば、筋肉を作ることはできません。特に意識すべき栄養素とその摂り方について解説します。

1. タンパク質を毎食しっかり摂る

筋肉の主成分はタンパク質です。高齢になると食が細くなったり、あっさりしたものを好む傾向があり、タンパク質不足になりがちです。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品をバランスよく組み合わせましょう。

具体的な摂取の目安としては、毎食「片方の手のひらサイズ」のタンパク質源(肉や魚など)を食べることを意識してください。特に朝食はパンとコーヒーだけで済ませがちですが、ここにゆで卵やヨーグルト、ツナなどをプラスすることが重要です。

2. 筋肉合成を助けるビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨を強くするだけでなく、筋肉の合成を促進する働きがあることが分かってきています。ビタミンDは鮭やサンマなどの魚類、キクラゲや干し椎茸などのキノコ類に多く含まれています。また、日光を浴びることで体内でも生成されるため、適度な日光浴も有効です。

自宅でできる「運動」の実践:下半身強化

食事で栄養を補給したら、次は筋肉に刺激を与える運動です。サルコペニア予防で最も重要なのは、全身の筋肉の約7割が集まる下半身を鍛えることです。ここでは自宅で安全に行える効果的な運動をご紹介します。

椅子を使ったスクワット

太ももやお尻といった大きな筋肉を効率よく鍛える運動です。転倒防止のため、椅子の背もたれを持ったり、椅子の前で行ったりするなど安全を確保して行いましょう

  1. 椅子の前に立ち、足を肩幅より少し広めに開きます。つま先は少し外側に向けます。
  2. 背筋を伸ばし、腕は胸の前で組むか、不安な方は椅子の背もたれやテーブルに手を添えます。
  3. 息を吐きながら、お尻を後ろに突き出すようにゆっくりと膝を曲げていきます。この時、膝がつま先より前に出過ぎないように注意します。
  4. 太ももが床と水平になるくらい、あるいは無理のない範囲まで下げたら、一呼吸置きます。
  5. 息を吸いながら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。膝を伸ばし切らない(ロックしない)ところで止めると、筋肉への負荷が持続します。

この動作を10回から15回、1日2セットを目安に行います。膝に痛みがある場合は、椅子に浅く腰掛けてからの立ち座り運動に変えても十分効果があります。

かかと上げ運動(カーフレイズ)

ふくらはぎの筋肉を鍛える運動です。ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれ、血流を良くする効果もあります。また、歩行時の蹴り出しが強くなり、つまずき予防にも役立ちます。

  1. 椅子の背もたれや壁に両手を添えて立ちます。足は肩幅程度に開きます。
  2. 背筋を伸ばしたまま、息を吐きながらゆっくりとかかとを高く上げます。親指の付け根で床を押すイメージです。
  3. 上げきったところで1秒から2秒キープします。
  4. 息を吸いながら、ゆっくりとかかとを下ろします。床につく寸前で止めて再び上げると効果が高まりますが、最初は床につけて休んでも構いません。

これを10回から20回、1日2セット行います。テレビを見ながらや、キッチンでの調理中など、隙間時間に行うのがおすすめです。

運動と食事を組み合わせるタイミング

サルコペニア予防の効果を最大化するためには、食事と運動のタイミングも大切です。

最も効果的なのは、運動後30分から1時間以内にタンパク質を含む食事を摂ることです。運動直後の筋肉は、傷ついた組織を修復しようとして栄養を積極的に取り込もうとしています。このタイミングでタンパク質を補給することで、効率よく筋肉を作ることができます。

もし運動が食後になってしまう場合は、運動後に牛乳や豆乳、プロテイン飲料などをコップ1杯飲むだけでも効果があります。逆に、空腹のまま激しい運動をすると、エネルギー不足で筋肉が分解されてしまうことがあるため注意が必要です。

無理なく続けるためのコツ

どんなに良い食事や運動も、続けなければ意味がありません。三日坊主を防ぐためのポイントをお伝えします。

  • まずは「がんばりすぎない」ことです。「毎日やらなければ」と思うとプレッシャーになります。「週に3回できれば上出来」「体調が悪い日は休む」といった柔軟な姿勢で取り組みましょう
  • 次に「記録をつける」ことです。カレンダーに運動をした印をつけるだけでも達成感が得られます。体重や筋肉量を測れる体重計があれば、数値の変化を見るのも励みになります。
  • そして「誰かと一緒に行う」ことです。夫婦や友人と一緒に取り組んだり、地域の体操教室に参加したりすることで、楽しみながら継続することができます。会話をしながら運動することは、認知機能の予防にもつながります

サルコペニアは予防できます。今日からの食事と少しの運動習慣が、数年後の元気な体を作ります。できることから少しずつ始めてみましょう。

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この記事を書いた人

シニアライフ研究家 / 健康情報ナビゲーター
「人生100年時代をどう楽しむか」をテーマに、世界中の健康論文や最新メソッドを研究中。40代の働き盛りならではの視点で、親世代に本当に勧めたい「科学的で無理のない健康法」を厳選して発信します。

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