「最近、体が硬くなって動きにくい」「転倒が怖くて運動がおっくうになってしまった」と感じていませんか?
高齢になると、どうしても筋力や柔軟性が低下しがちです。しかし、無理をして体を痛めるのは避けたいところです。
まずは、以下のチェックリストで現在のお悩みを整理してみましょう。
- 腕が耳の横まで上がりにくくなった
- 椅子から立ち上がるときにふらつくことがある
- 背中が丸まり、姿勢が悪くなってきた
- 安全に、座ったままできる運動を探している
もし一つでも当てはまるなら、身近にある「フェイスタオル」を使った体操がおすすめです。
タオルを使うことで無理なく関節の動きをサポートし、座ったままでも全身の筋肉を効果的にほぐすことができます。
なぜ高齢者に「タオル体操」が推奨されるのか
タオル体操は、特別な器具を使わずに自宅ですぐに始められるリハビリテーションの一種としても広く活用されています。主なメリットは以下の通りです。
- 可動域が広がるタオルを持つことで、普段動かさない範囲まで腕や肩を無理なく伸ばすことができます。
- 転倒リスクが低い椅子に座って行うため、足元がふらつく心配がなく、安心して運動に集中できます。
- 握力の維持タオルを握り続けることで、日常生活に必要な握力や指先の感覚を刺激します。
【実践】座ってできるタオル体操おすすめ5選
それでは、実際に体を動かしてみましょう。
準備するものは「フェイスタオル1本」と「安定した椅子」です。キャスター付きの椅子は動いて危険なので避けてください。
1. バンザイ運動(肩まわりのストレッチ)
加齢とともに硬くなりやすい肩関節や、背中の筋肉をほぐします。猫背の予防にも効果的です。

- 椅子の背もたれには寄りかからず、浅めに座り背筋を伸ばします。
- タオルの両端を両手で持ちます。
- 鼻から息を吸いながら、ゆっくりと腕を真上に持ち上げます(バンザイの姿勢)。
- 背筋が伸びているのを感じながら、3秒間キープします。
- 口から息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻します。
- これを5回繰り返します。
2. 体側伸ばし(脇腹のストレッチ)
肋骨周りの筋肉をほぐすことで、呼吸が深くなり、代謝アップにつながります。

- タオルの両端を持ち、頭の上に腕を伸ばします(バンザイの状態)。
- 息を吐きながら、ゆっくりと体を右真横に倒します。
- 左の脇腹が気持ちよく伸びているところでストップし、自然な呼吸で10秒キープします。
- 息を吸いながら体を中央に戻します。
- 反対側(左真横)も同様に行います。
- 左右交互に3回ずつ行います。
3. 背中洗い運動(肩甲骨の可動域訓練)
お風呂で背中を洗う動作に似ています。肩甲骨周りを動かすことで、肩こりの解消が期待できます。

- タオルの片端を右手で持ち、右肩の上から背中側に垂らします。
- 左手を腰の後ろに回し、垂れ下がったタオルの下端をつかみます。
- 右手でタオルを上に引っ張り、左腕を持ち上げます。
- 次に左手でタオルを下に引っ張り、右腕を引き下げます。
- 痛みのない範囲で、上下に10往復させます。
- 手を変えて、反対側も同様に行います。
4. 太もも裏のストレッチ(下肢の柔軟性)
足腰が弱ると歩幅が狭くなります。太ももの裏側(ハムストリングス)を伸ばして、歩行をスムーズにしましょう。
- 椅子に浅く座ります。
- 右足を前に伸ばし、かかとを床につけます(つま先は天井に向けます)。
- タオルを右足の裏(土踏まず付近)に引っかけ、タオルの両端を手で持ちます。
- 背筋を伸ばしたまま、タオルを手前にゆっくり引きます。
- 太ももの裏やふくらはぎが伸びているのを感じたら、そこで20秒キープします。
- 反対の足も同様に行います。
5. タオルまたぎ運動(股関節の運動)
足を高く上げる動作は、つまづき防止に直結します。
- タオルを細長くたたみ、両手でタオルの端を持ちます。
- 右足の太ももを高く上げ、タオルの下をくぐらせて足を前に出します(タオルをまたぐイメージ)。
- もう一度足を上げ、タオルをくぐらせて元の位置に戻します。
- 背中が丸まらないように注意しながら、左右それぞれ5回ずつ行います。
▶【脳ニモで解決】一人では運動が続かないあなたへ。専属トレーナーと楽しく続けるオンライン習慣
効果を高めるための注意点
安全に行うために、以下の3つのポイントを守ってください。
- 呼吸を止めない力を入れるときに息を止めてしまうと、血圧が上がりやすくなります。「1、2、3」と声を出しながら行うのがおすすめです。
- 「痛気持ちいい」範囲で痛みを感じるまで強く伸ばすのは逆効果です。筋肉を痛める原因になります。
- 体調が悪い時は休むめまいや動悸がするときは無理をせず、休息を優先してください。
「ながら運動」で脳も活性化させよう
タオル体操に慣れてきたら、少し頭を使う要素を取り入れてみましょう。これを「コグニサイズ(認知課題+運動)」と呼び、認知症予防にも期待されています。
例えば、「タオルを左右に動かしながら、野菜の名前を声に出して言う」といった簡単なことで構いません。運動と頭の体操を同時に行うことで、脳への血流が増加し、より健康的な毎日につながります。
しかし、自分一人で運動メニューを考えたり、継続したりするのはなかなか難しいものです。
- 「正しいやり方がわからない」
- 「一人だと三日坊主になってしまう」
そんな不安をお持ちの方は、プロのサポートを受けるのも一つの賢い選択です。
まとめ
座ってできるタオル体操は、高齢者の方でも転倒のリスクが少なく、全身の筋肉をほぐすのに最適な運動です。
毎日少しずつでも続けることで、体が軽くなり、気持ちも前向きになっていきます。まずは今日から、お風呂上がりやテレビを見ながらの時間に、タオルを一本用意して始めてみませんか?







コメント